ローンを組んだ際に加入する団信（団体信用生命保険）が通常の生命保険の代わりになることや、家賃収入が年金のように定期収入となること、また物件を家族に残せるだけでなく売却した場合も資金を残せる点を魅力に感じ、都内のワンルームマンションを購入したとのことでした。

確かに不動産投資にはそういった魅力的な一面もあるのですが、団信はあくまで不動産購入時に融資を利用した場合に使われる保険であり、死亡時支払額もローン残債減少と共に減っていきます。
そして一番注意しなければならないのはワンルームに限らず不動産投資は保険ではないということです。
「生命保険の代わり」「年金の代わり」「節税対策」といった美辞麗句に踊らされないようにご注意ください。

今回は、周辺環境の変化により賃料下落を抑えることが出来なくなったことで収益見通しが悪化し、早期売却を検討中だがローン残債が残ってしまう査定額しか出ない点を危惧されてのご相談でした。

パートナー企業に改めて査定依頼を実施し、ご相談者様が受領した査定額よりは高額ではあったものの、依然としてオーバーローンであったため、賃料見直し後の残債減少期間のシミュレーションを行いました。
不足分の一部を自己資金で賄うことで、ある程度カバーできる期間であることが分かり、少し安堵されていたようです。

賃料獲得見込みが立っていたことや、比較的残債が少額であったことから、今回は売却タイミングの見直しを行う形で済みましたが、都心のワンルームマンションは価格下落傾向が強まっているため、引き続き注意が必要と思われます。